2011年12月9日金曜日

キノコのタイトル負け

この夏、プロコフィエフの短編集を買った。プロコフィエフは私の大好きな作曲家で、初夏から、四つの小曲からなる「おばあさんの話」op.31の3曲目を練習していた。1曲目は昨年練習したが暗譜が出来ず、そうこうしているうちに全く弾けなくなった。2番、4番は来年弾いてみるつもり。


さて、以前書評にプロコフィエフの短編集新刊の話があったのを思い出し、音楽と同じくらいに面白いというプロコフィエフの文章が読みたくて、その本を注文してみた。
地下にあるベニテングタケのキノコ王国へ、小さなターニャが出かける「毒キノコの話」は何としてでも読んでおこう。きっと3番にぴったりの曲だろう。


届く前にプロコフィエフの日本滞在日記が公開されているので読んでみたのだが、亡命前に日本に来ていたのね。
大体、私は素養が無くて、プロコフィエフが大好きと言っている割に、知っている曲もほとんどなく、プロコフィエフのこともWikiで読んだ程度。日本に滞在したことは頭に入っていなかった。以前、伝記の最初を立ち読みし、子どもの頃、手ほどきをしてくれたド近眼のお母様よりピアノがたちまち上手になって、お母様に悔し涙を流させたような話は覚えている。馬鹿にしていじめたそうだ。でも、この話はわたしの捏造・覚え間違いかもしれない。あとはプロコフィエフ好き、音楽好きの方々のブログを拝見する度に、楽しく「発見」と勉強をさせてもらっている。


届いた短編集は、うやむやと読み終えた。お目当てのキノコ王国の話は、弾いている曲にぴったりだったと思ったけれど、ある日、ストラヴィンスキーが「ふくろうと猫」という興味を惹く歌曲を作っているのを知り*、ストラヴィンスキーの作品リストを見てみると、初期の歌曲で「戦争に行くきのこ」(1904)というのがあった。


素晴らしい。タイトル素晴らしすぎ。
The mushrooms went to war 
The mushrooms going to war
How the mushrooms went to war
などと英訳されるようだけど、
キノコ王国では、大ヒット間違いなしであろう。


実際、戦争に行く、いや行かされるのは、キノコではなくてカブトムシだし。
というのは、ネットで検索したら、歌詞を訳してくださっているブログ(ナメサメカメンチョさん)があって、カブトムシが出兵していた。
プロコフィエフとストラヴィンスキーにはバレエ曲の依頼で因縁めいた話があるようだが、
まずは、おばあさんの話、こんな曲です。


Tales of an grandmother  op.31  1918年

Victor  Merzhanov演奏   part1/2   No.1,No2


    part2/2   No.3 No4

気ままな生活さんのブログで『もし大作曲家と友達になれたら』(スティーブン・イッサーリス著)という本を紹介されている中で、イッサーリスがストラヴィンスキーの「ふくろうと猫」という歌曲を「宇宙人のこどもが聴くのにぴったり」と勧めていたからなのだけど、気ままな生活さんの記事は5月。その時は気がつかなかったのだが、まあよくあることだと思う。