2012年1月26日木曜日

「やきものいこま」さん

下の記事の長い追記。
数年前より、たぶん原材料費が高くなっているのを考えても、ギャラリーで販売される若手作家、人気作家の器って少々高いなあ、と思う。


食器は、雑貨・インテリアショップ、セレクトショップに無印などあちこちで扱っているのを見かけるが、昔ながらの瀬戸物屋さんはもうなくなってしまった気がする。


そういえば、奈良に「やきものいこま」というお店があった。雑誌で紹介されていて、奈良や京都に用事があったこともあり、寄ってみたのだけれど、中に入ってびっくりした。商店街の陶磁器やさんのように、ところ狭しとうずたかくお皿や鉢が棚に積み上げられていた。
歩いて空気が振動する度に、棚の中の食器が震える音がするようなお店。食事がすんで食器を洗っているときに、時折食器が重なり合って立てるような音が聞こえてくるようなお店。もちろん、そんな音は実際にはしなくて、ぎっしりなのに品がよいお店だったのだが、がちゃがちゃとか、お茶碗、おばあちゃん(こういう言い方は好きではないのだが)、と「ちゃ」の字が似合う気がする。ちゃぶ台という言葉とかレトロは似合わない。奈良ののんびりとした陽光が似合う自然な感じのお店だった。


こどもが小さかったときで、千鳥ギャラリーさんではないが、千鳥の絵の付いた小さなお丼を一点だけ買って帰った。可愛らしかったので、次に行ったとき、「そういう感じでいいなと思うもの」を探したがちょうど欲しいものがなくて、何も買わずに帰った。そのうち、奈良近辺に用事が無くなって行く機会もなくなった。
検索してみると、やきものいこまさんは、2,3年前に閉店されたらしい。


私はノスタルジーは全く持ち合わせていなくて、というのも自分の生年がもはや昭和枯れススキな感じでげんなりするからだが、カフェ風でもギャラリー風でもなく、ちょっと普通にお皿など買えるお店があっていいものだと思う。


*別ブログ「うさぎの切りかぶ」に「やきものいこま」さんのお丼の写真を載せました。記事はこちらですが、同じ写真を貼っておきます。きれいに撮れたらまた貼り直します。    2012.11.14