2012年1月27日金曜日

山の雪

先日の水曜日は午前中、雪が少しぱらついた。それでも、薄曇り程度には晴れて、寒い寒いといっても昼間はのんびりと明るかった。
出先からいったん帰って来て一休みし、夕方、日が暮れる前にと街のほうに買い物に出た。西の空が明るく、夕焼けで海の方はオレンジ色に輝いている。海の方といっても海は見えない。ただ、市内には川が何本も流れていて、私は下流のほうに住んでいるので、橋まで来て川縁を見渡し、橋を渡りながら川を目で追っていくと、すぐそこに海があり、西へ湾曲する地形に沿って広がっていくのが見える気がする


北の方は、暗かった。重い灰色の雲が重量感を増して、難しげに空を覆っていた。山の方は雪が降っているだろう。橋を渡るとオレンジ色も濃い灰色の雲も左右に並ぶビルに隠れて見えなくなった。


買い物をすませて店の外へ出たら、雪が降り出していた。白い粉雪ではなく、少しぽちゃっと降ってくる。帰りは別の道を通る。街中の小さな交差点から始まる狭い通りは最初はシルバーグレーだが、段々ぼやけた薄鼠色に変わっていって、四方に開けた大きな通りに出る。まだ西日が残っていて、ビルやマンションのガラスに反射していた。帰りの橋で西のほうを見やると、空は明るくひとかけらの青い空さえ見えた。だが、雪は舞い、山の方はというと、その暗い雲を見るまでもなく、雪で覆われた灰色の山の景色が絶えず浮かんでくる。往きの道からずっとそればかりを思っていた。


それは友人が撮った写真で、彼女の携帯HPの表紙にしている。一つ前の写真も雪景色だったが、今のもまた一段と寒々しく厳しそうである。山の冬は早くて、友人はもうずっとその雪を見てきたのだろう。週末、帰省する度に。


頭はクールで、情に厚く、気骨のある、その友達のことは、また。
結局、お天気の話ばかりでごめんなさい。