生徒さんもお母さんもお父さんも、若すぎ。どこに身を置いていいか分からなかった。
でも、それから一年ちょっと、レッスンの日時が変わって、前後の入れ替わりで時たま生徒さんやお母さんたちと顔を合わせるようになり、今回の発表会では和やかにご挨拶できた。皆さんの若さと華やかさにも慣れた。
背が高くて今風の若いお父さんたちは、去年はちょっと居心地悪そうで携帯が目立ったが、今年は子どもさんと楽しそうにゲームをしたり、静かに談笑をして会場で待っておられた。
さて、開演したらあっという間に私の番が来て、頭の中が真っ白な状態で弾き始めた。
ガチガチ骸骨。震えている。
と、何か会場から音がした。ゲームの途中か終了のような何か変な音で、結構大きい。二度三度どころではない、合間合間に何度も聞こえる。
えーい、誰だと腹が立った。まだ本当に小さな子がいたけど、ゲームは持っていなかった。自分の音に集中しようと思っても、妙に響いて聞こえてくる。
でも、演奏こそ途中で止まってしまったが、泥舟に乗っかるように何とか終えて席にもどった。後ろのほうで座っていた夫も胸をなで下ろしている。毎回、来てくれてご苦労様である。
小休憩に入ったとき、その夫が携帯で写真を撮ると大きな音がする、と言い出した。
え?
「いやあ、びっくりしたよ。弾いているとき、ちょっと音がしていたでしょう」
さっきの変な音はうちの夫だったらしい。
誰かがゲームをしているのかと思ったと私は憤慨した。
「いやあ、ごめんごめん、
間違えたのは僕のせいにしていいから」
そういう人だよねえ。
そこへ先生が横を通りかかり、「ご主人、面白い音を出していましたね、それがすごい可笑しくって」と笑われた。
演奏のほうは、何も仰らなかったので、イマイチだったようだ。
曲については、うまく弾けなかった悔しさも、何とかやり遂げた喜びもなく、自分の中に何も無いのが不思議だったが、無事に終わったのは嬉しかった。
それにしても、わたしもそうだが、夫の携帯って、ひょっとしなくても浦島太郎かも。
話は変わって、今シーズン、3回目の粒あん。
もう少し、甘くてもよかったかな。前回のは絶品だった。自画自賛。人生自作自演。
また、アイスクリームを買って、
撮り直してみたいです。