2012年5月3日木曜日

あちこち部分を交換していました

だいぶ前のことだけれど、テレビの出張修理に来てもらったとき、ビクターの技師さんから「ひとつ部品交換して直っても、それと全体が合わなくなって他のも交換するようになるかもしれません」と説明があった。


若かった私は、「ふーん、そうなのか」と感心して聞いていたが、テレビに限らずこの法則が、他のことにも適用する万事共有の法則だと、年々身をもって理解していった。

バランスの悪いところを換えて全体をよくする場合もあるが、一部分を直したり換えたりすることで、全体とのバランスが崩れ、あちこち手を入れないといけなくなる。家電、車、家(借家だけど)etc.

それに何といっても自分自身。
長い間、私はカジュアルなパンツスタイルでいた。パンツといってもジーンズなどの本当にカジュアルなものに、ヒールのない靴を履いていた。
でも、この春はワンピースとかスカートを着てみたくなった。今までも何度もスカートを履いてみたいと思ってはいた。それもかなりドレッシーな格好をしたかったのである。というより、ナチュラルで優しそうな雰囲気の服は、平板な私を益々ぼんやりと野暮ったくしそうだったので、バーンと格好いい服が欲しかった。


長年躊躇していたのは、頭のてっぺんからつま先まで揃え直さなくてはならないのが怖いからだった。小物がない。今のパンツスタイルでも小物がなくて、困っている。一式揃える費用にメイクはどういたしましょ。
大体、お店に買いに行く服が無い。

だけど、「いつ私はスカートを履くのよ、このままでは一生着られない」とこの春、渋る夫に怒りをバンバン爆発させて宣言して、買い物に出かけた。


そして、無事お買い物をして帰って来た。


ネットで予習していたというか考えていた服とは、かなり違ったような気がする。それがかえって新鮮で、嬉しかった。頭の中で満足するのではなくて、全身に喜びが満ち溢れた。ついて来てくれた夫に感謝。



さて、ネットで予習していたというのは、ショップブログや同年代ファッションブログで着こなしを見せてもらうことである。特に、洋服だけでなく、生活全般にわたり、いろいろと参考にさせてもらっている同年代の方々のブログを拝見していると、この4月は何年かぶりにスカートを履いてみたとか、スカートを着る機会を増やそうと書かれている方が何人もいらっしゃった。私のように、「スカートを履けるのはあと何年?今履かなくてどうするの」と仰る方もおいでになった。

そうそう、そうなのよ。それに年齢のことだけではない。
私には皮膚にトラブルがあったり、歯などに難があるだけではなく、持病があって直しようがない事情もある。生まれ変わってからでは遅すぎる。
条件がそろってパーフェクトな状態になるのを待つより、思い立ったが吉日で実行したほうがいいと、これも年を取るにつれて学んだ。学んだというより、後悔かな。


とりあえず、洋服は臆せずに着てみるしかないと思う。よくも悪くも驚いて感動する。楽しい人生だ。