2012年3月17日土曜日

椅子の話

「シャルロット・ペリアンと日本展」の続き。


ニワトリは三歩歩けば忘れる、というけれど、美術館を出て散歩がてら、ぐるりと一回りしたら、はて誰の展覧会だったかと思い出せなくなった。本当です。最近、こんなことばかり。
「ぺ、ぺ、ペイリン。あ、これは前アラスカ知事だった」。
でも、共和党のサラ・ペイリンさんしか名前が出てこない。仕方がないので、入場券を見て確かめた。ペリアンさんだった。でも、頭の中にペイリン→ペリアンという回路が出来てしまった。


さて、今日は、展示の目玉であった竹製シェーズロングについて。






美術館HPより


ペリアンが来日した1940年、翌1941年の日本では物資が乏しく、金属の代用品として竹が用いられたらしい。家具の素材としては、竹よりも籐のほうが、折れないし、ささくれないし、撓る(しなる、弾力性がある)し、製作する側にも使用する側にも勝手がよいように思う。
だけど、日本では熱帯雨林地域の植物である籐は育たないから、竹になったのだろう。ペリアンさんはよくぞ竹で作ったものだ。


籐ついては、知り合いの家具屋さんが籐家具を長く扱っているので、ちょくちょく話を聞かせてもらっている。シェーズロングではないが、籐の寝椅子は人気商品で、三つ折りにしてコンパクトに収納出来るものがあるし、カタログからも注文できる。
とても格好いい籐の寝椅子を写真で見せてもらったことがある。籐家具の展示会をしたときの写真であるが、HPにも載せていない。


私が寝椅子の写真を撮影したものはないかと探してみた。私はお客さんに手渡すカード作りをときどき頼まれて作っていて、素人ながらお店の写真を撮ることがある。店内の写真を撮ってブログに載せられるようなお客さんは、ほとんどいらっしゃらない。ご遠慮されているのだろうが、たまに積極的に載せてくださっている方もいらっしゃる。
さて、格好いい寝椅子の残念ながら無かったので、代わりに下の写真を載せておこう。


籐家具は和洋どちらの部屋にも馴染む、不思議な家具。




家具屋さんにて



手前の椅子が前回記事の「さんぼんあし」です。
左はラタンのカウチ。
大人でも十分横になれます。


★シェーズロングについて詳しい構造イラスト画→アトリエかわしろ生活館