2013年6月23日日曜日

続き

前回記事の続き。
『フランバース屋敷の人々』のテレビドラマ化は、主役たちが原作のイメージとは違って残念だったけれど、イギリスの児童文学で思い出したのが『床下の小人たち』(メアリー・ノートン著)。
これもドラマ化されていないかと動画を検索すると、あった。

The Borrowers (1992年)


アリエッティは可愛いし、ポッドとホミリーの両親も男の子もイメージ通りな気がする。
1973年アメリカ制作の映画か何かの動画もあったが、こちらは舞台向きの人たちなのかも。髪型がアメリカホームドラマっぽいホミリーが怖い。
他にも映像化されているようだ。
宮崎アニメはハイジの頃から苦手だから、見ない。

さて、順序は逆だが、今度は『床下の小人たち』の原作が気になって、読み返してみた。本の紙が黄ばんで古くなって、この本によく出てくる、吸い取り紙、にできそうだ。
最初の出だしで、ケティおばさんが使用している「朝ごはんの間」について、朝の日差しで明るい部屋も、太陽の動きとともに「妙にしらじらした光」で悲しげな雰囲気を漂わせるようになるまで、細かく書いている。イギリスやヨーロッパの映画には、ハッピーエンドがあまりない、という話を思い出した。現実的でシニカルなのが自然に感じる。

男の子のアリエッティら小人に関する見方も、「怒りっぽくて、うぬぼれや」と的確だ。小人が何故小人になってしまったか、という考察も面白い。
この小人シリーズは、二作目からは記憶になくて、また時間があれば読んでみよう。

最後に。『フランバース屋敷の人々』に頻繁に出てくる狩猟で思い出したが、

『狐になった奥様』  ガーネット著(wiki.jp)

狐になりたての頃のシルヴィア奥様のテーブルマナーが、いじらしく可愛い。子狐たちの性格描写もおもしろかった。
短編小説で、シルヴィア奥様の変化に伴う夫テブリック氏の変わらぬ愛情や心理描写が連綿と続くのだが、それよりテブリック氏が「妻が狐になっては仕方がない」と受け入れたこととか、氏の世間との関わり方のほうが印象的だった、はずなのだがよく思い出せない。
この本は借りて読んだので、手元にない。
プロジェクト・グーテンベルクで原文が読めるようだ。でも、読んでみるには季節的には冬がいいかな。
挿絵の版画がよかった。